また、自己破産の申し立てまでの間は訴訟の提起などの法的な手続きは認められています。とくに自己破産の手続きに入ってから申し立てまでに時間がかかった場合などでは債権者から訴えられる可能性が高くなります。債権者側としては借金の返済もされないで、なおかつ自己破産 などの法的な手続きもされないといった状態だと会社内部での処理を行うことは大損になってしまうからです。結局のところ、裁判によりどんな判決が下されようが自己破産の申立人に債務を支払う能力はありませんし、業者もそのことは理解しており、裁判のような威嚇行為で、うまく和解に持ち込み返済させるなり債務者の家族や親類に返済してもらうことなどを狙っている場合もおおくあります。
平成17年1月1日改正の新破産法では自己破産の申し立て後は差し押さえなど法的な手続きは効果を失うことになりますので、今までの破産法の時とは異なり訴訟の提起などをしても無駄になる可能性が高く、新破産法では実際に訴訟をしてくる業者はほとんどなくなると思われます。そういった意味でも、平成17年1月1日の改正で自己破産制度は今まで以上に利用しやすくなったといえます。また、支払督促による場合ですが、支払督促とは、裁判所が債務者に対して債務の支払いをしなさいという督促のことで、通常の訴訟をする場合と違って、債権者の一方的な意見だけを聞いて行われるため通常の訴訟のように時間と費用がかからないので、業者がよく使う法的手段となります。当事務所で扱った破産事件で訴えられたケースも、ほとんどが支払督促によるものとなります。支払督促の申し立てがあると裁判所から通知が来ることになり、その通知が来てから2週間が経過すると、債権者は債務者の財産(給与債権などを含む)に対し差押えができるようになります。支払督促に対し異議申し立てをすることができれば、通常の訴訟に移行していくことになります。通常の訴訟は時間がかかりますので、免責までには判決が出ない可能性が高くなります。
消費者金融業者などは会社員などの給与所得者が相手であるときには月々の給料をあてにして金銭を貸し付けることになるのですが、この返済が滞った場合、給料を差押えて返済させようとする場合があります。最近では返済が遅れると内容証明郵便で、返済しないと給料を差押えると通知してくることが多くなっているようです。実際に、自己破産の申し立てまでの間に訴訟の判決がでた場合、支払督促で仮執行宣言が付された場合などに差押えをすることが認められています。そして、給与などを差し押さえられた場合には、自己破産 することを会社に知られずに手続きをしようと考えていた場合、会社に知られることにもなってしまいます。なお、平成17年1月1日改正の新破産法では自己破産の申し立て後は差し押さえなど法的な手続きは効果を失うことになります。この改正によって今までの破産法の時とは異なり差し押さえなどをしても無駄になる可能性が高いので、新破産法では実際に訴訟をしてくる業者はほとんどなくなると思われます。
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Last update:2023/9/25